不登校や引きこもりの方に共通して起こるものとして、「昼夜逆転」が挙げられます。
朝型に眠り、夕方や夜に起きるという、一般的な生活リズム(朝起きて夜寝る)とは「逆」になってしまう現象です。
これが続くと、身体のリズムが狂い、無気力、抑うつ状態、食欲不振(もしくは過多)、など身体面や精神面にも影響を与えて行きます。
また、いざ学校やアルバイトに行こうにも、朝起きられないので、なかなか動き出すことができません。
子どもたちが昼夜逆転をするのは「理由」も存在します。
そのことを周りが受け止めた上で、改善ステップを経ていくことが重要です。
ここでは、改善のためのステップをお伝えしていきます。
そもそもどうして不登校や引きこもりの方は、昼夜逆転をするのでしょうか?
考える要因としては、
・みんなが学校に行ったり仕事をしているときに「起きていたく無い」
・家族と顔を合わせたく無い
・(ネットやチャットなどで)同じような環境にいる人と接したい
等が考えられます。
彼らは彼らなりに、悩み苦しみ、その結果として「昼夜逆転」が起こっていると
考えられます。
「早く寝なさい」「早く起きなさい」という言葉は、彼らも十分分かっているのです。
まずこの「背景」を知ろうとすることが大切です。
逆説的かもしれませんが、何事も「否定」から入ると、うまく改善することができません。
昼夜逆転をしていたとしても、必要な睡眠時間(7~8時間程度)が確保できていれば、
とりあえずは睡眠は摂れています。
周りも本人も、まず、現状を「肯定」することから始めていきましょう。
当の本人は、「昼夜逆転は良く無いこと」ということを分かっています。
本当は直したいと思っています。
それを「直しなさい」と言ってしまうと、反発心を招くことになります。
「まず必要な睡眠が摂れているならOK」という姿勢からスタートしていきます。
何かを改善する際に重要なのは、「今」がどうなっているか、ということを認識することからです。
そしてそれらを「数字」という「客観的な事実」によって把握します。
具体的には以下の3つのデータが基礎データとなります。
● 基礎データ
① 就寝時間と起床時間
② 睡眠時間
③ お昼寝をした時間
これらを一週間から一ヶ月ほど取っていきます。
できるだけ本人が取るようにしていきます。
データを取得するだけでも、今の自分の状態がどうなっているかを認識できるので、
早ければそれだけで改善することもあります。
データを取得したら、平均睡眠時間を算出します。
7時間なら7時間、
9時間なら9時間です。
それが今の段階での必要な睡眠時間となります。
こちらを基に、日々の睡眠の「睡眠時間を一定化」させていきます。
たとえば、「8時間」という数字が出て来たら、
3時に寝たら11時に起きるようにする、というようにです。
この時点で就寝時間は気にしません。
何時に寝てもいいので、
まず一日の睡眠時間を一定にしていくというところから始めていきます。
たとえば、朝9時から昼12時までの間に「起きる」というようにしていきます。
この時点で「朝9時に起きる!」にすると、ハードルが高く、すぐに続かなくなります。
9時から12時までの間に起きられたらいいや、
というくらいの気持ちから起きる時間を限定していきます。
時間の限定がまだ厳しい方は、「午前中に起きる」というようなものでも結構です。
幅の設定は個々人によりますが、無理をしないように設定しましょう。
慣れて来たらだんだんと時間の限定枠を狭めていきましょう。
起床時間を決めて、それを守るようにします。
朝9時なら9時、6時なら6時、というようにです。
睡眠のペースを一定化させるために重要なのは、就寝時間よりも、起床時間です。
無理の無いように、一定化させるようにしましょう。
この辺りからは、起きてから何かやることを決めておくと起きやすくなります。
たとえば朝ランニングをしたり、毎日図書館に通うというようにです。
予定があると行動につなげやすくなります。
改善方法はすぐにうまくいくわけではありません。
調子良く進んでいても、がくっと崩れてしまうこともあります。
行きつ戻りつを繰り返しながら改善されていきます。
うまくいかないときは、うまくいっていたステップに戻りましょう。
「うまくいくこともあれば、そうでないこともある」
ということを学ぶことも大切なことです。
一回やってもダメだったことも、もう一回チャレンジするとうまくいくこともあります。
焦らずじっくり取組むようにしましょう。
何度チャレンジしてもうまくいかないときは、専門家にアドバイスをもらうようにしましょう。
睡眠がうまく摂れないということであれば、一度医師やカウンセラーに相談しましょう。
OFFICE NAKAGAWAでは、睡眠改善にも取り組み、快適な生活をサポートします。
1人で悩まず、共に歩んで行きましょう。
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